所用があって先週の数日間をパリで過ごしました。
ひょんなことから藤田嗣治のアトリエの見学にお供できることになり、曇天のパリの空の下をタクシーにて飛ばすこと、1時間弱。
2階建てのちいさなおうちは、まるで今でも彼が住んでいるかのような趣がありました。
染料のガラスボトル、電気釜、書きかけの紙たち。
自身で作ったという木彫りの棚や鏡のフレーム。
旅行中にみつけたというペンギンの置きもの。
アンティークのお人形たち。
暖炉隠しには、影絵風の子供たちのイラスト。
知り合いのお宅におじゃましたような感覚で見学できます。
こちらは手作りの屏風に打ちこんだメタルのモチーフの細部。
どれも数センチほどの大きさで、ひとつひとつ金づちと石で手作りしたというから、なかなかマニアックです^^
写真撮影は「基本的に」禁止。でも、ガイドのお姉さんがちょっと横を(わざと)向いているスキに、ちょこっと撮るくらいならゆるしてくれる、そんなやさしい雰囲気のある場所です。
眺めるのにいそがしくてほとんど写真を撮っていないことに、あとから気づきました。
藤田氏とは数年前のブルターニュ・サンマロでの展示会以降、なんだかふしぎな縁があるのではと(勝手に)思っていたところの、また今回の出会い。同行の方々とのおしゃべりの間にも、あの丸めがねの奥の視線をちらりと思い出しているのでした。
Maison-atelier Foujita
7, route de Gif 91190 Villier-le-Bacle
01 69 85 34 65
maison.foujita@cg91.fr
見学は要予約
追伸・ Foujita のサイン、なぜ fu でなく fou なのか。
仏語では fu だと「フュ」と発音されてしまうので、「ふ」の音を保つために fou「フ」と書いていたそうです。
わたしも sakuma だと「サキュマ」になってます^^